人材サービスのパーソルマーケティングがメタバース市場向けの事業部を新設

2022/02/02 06:26 更新


 総合人材サービスのパーソルグループで営業や店舗・販売支援の人材派遣・アウトソーシング事業のパーソルマーケティング(東京、高倉敏之社長)は、メタバースデザイン事業部を新設した。PwCコンサルティング(東京)との協業で、メタバース市場での人材サービス事業に参入し、4月から営業と販売職での開始を目指す。

 メタバース市場は世界で20年の約5000億ドルから、24年には約60%増の8000億ドル規模に拡大するとの予測もあり、今後が期待される。現在はゲームやイベントなどライブエンターテインメントが中心だが、観光や医療、教育などへの広がりが見込まれている。今後は仮想空間上で営業や販売を行うVR(仮想現実)人材需要の急速な高まりが予想されている。

 同社は、メタバースを「人の行動領域と選択肢を拡張させる〝第2世界〟(社会)」と定義。「リアルとバーチャル双方の世界をシームレスに橋渡しすることが、新たな雇用を生み、多様な人材が活躍できる社会を構築することにつながる」と考えて開始を決めた。

 リアルの人材サービスでは現在、営業や販売業務の豊富な知識や経験がある人でも、働く時間や地域に制限があったり、年齢による体力の衰え、病気や障害などで立ち仕事や外回りの仕事が難しく、就業機会が限定されることが課題だ。メタバースを活用すると求職者は、年齢や性別、病気や障害の有無、働く場所や時間に関係なく、知識や経験を生かして在宅勤務やリモートワークをはじめ、時短勤務や日数限定勤務、複業や兼業、フリーランスなど働き方の選択肢を増やすことができる。

 同社はリアルでの営業や販売、店舗支援の知見やノウハウを生かし、メタバース上の「接客・販売」「案内・運営」「出店支援」「誘致支援」「アバタースタッフ育成支援」に参入する予定。PwCコンサルティングは、同社の新たな事業展開と環境構築の支援を行う。

 メタバース市場の動向を踏まえ、事業成長へ挑戦を検討する企業も目立つため、同社は従来のノウハウを活用してリアルとバーチャルの双方向からサービスを提供し、各社の課題を総合的に解決していく考えだ。

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