【パリ=小笠原拓郎、青木規子】24~25年秋冬パリ・ファッションウィークは、いつも以上に二面性や違和感のある組み合わせが目立っている。エレガンスとカジュアル、センシュアルとデイリー。スタンダードやベーシックを新しいスタイルに仕上げるための手法として欠かせない。
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メリル・ロッゲ 昼と夜のムードを融合して、少し砕けたミックススタイルに仕上げる。オーセンティックなチェックのテーラーリングに蛍光色の利いたトラックパンツやショーツ、スポーツソックスには華奢(きゃしゃ)なサンダルを合わせる。夜遊びのヒップなムードがアクセント。テーマは「日常からクラブライフまで」。
AZファクトリー トレンチコートにデニム、白シャツにグレンチェック。スタンダードアイテムに異素材をドッキング。スタンダードを少しアレンジする。構築的なテーラーリングとギャザーが膨らむドレスを融合したスーツも。コートやシャツのウエストにはレースや箔(はく)を重ねる。
レオナール テーマはエスケープの意味の「ラ・エスカパーダ」。クリエイティブディレクターのジョージ・ルクスがイメージしたのは、南米を旅するパリジェンヌ。幾何学模様のポンチョやトラペーズドレスにニーハイブーツを合わせて都会的にスタイリングした。土っぽさを感じるカラーパレットが揃った。
イザベル・マラン ブラウンを基調に赤を利かせた80年代スタイル。ウェスタン調のフリンジが揺れるジャケットやストールに、裾をロールアップしたパンツとウェスタンブーツ。ケーブルセーターやシアリングベストを重ねた少し土っぽさのあるゆったりとしたスタイリング。