22年春夏パリ・コレクション レッドカーペットをランウェーに=バレンシアガ

2021/10/06 06:28 更新


 22年春夏パリ・コレクションはビッグメゾンや個性派デザイナーブランドのフィジカル(リアル)ショーが相次いだ。フィジカルらしい多彩な演出が見るものを引き付けた。

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〈フィジカル〉

 デムナ・ヴァザリアに一本取られた。バレンシアガのテーマ「レッドカーペット」は、幾度となく使われてきたが、彼のアイデアは一味違った。赤いカーペットを敷き、フォトグラファーを据える。ここまでは誰もがやってきたこと。エントランスを抜けて席にたどりつくと、大画面に映し出された生中継に、自身がプレゼンテーションの一部だったと気付かされる、そしてその合間に最新コレクションを着たモデルたちが登場する。

 クリノリンが支える巨大なレースドレスはショルダーやバックも構築的な作り。宙を舞うシルバーのドレスのトレーンには、クリストフ・バレンシアガのアーカイブの要素が見受けられた。巨大なテーラーリングに、トラックスーツ、ラッフル使いのドレスと、コレクション自体には目新しさがなかったが、ビンテージ加工やタイツ一体化シューズのヒールとトウが変わるなど、スタイルにアップデートは加わっていた。

 服の一方で、新作アクセサリーは満載。90年代風の肩掛けバッグや三つの大きなコンパートメントを持ったチェーン使いのクロスボディーバッグが登場した。シューズではソール一体型のシームレスシューズや「クロックス」とのコラボレーションが、ロンドンのカムデンタウンで売っていそうなゴス仕様で帰ってきた。メンズモデルがワンショルダートップを着ていたが、今後はドレスもヒールも、メンズサイズでも展開していくという。22年春夏のルックの総集編で終わりかと思えば、フィルムプレミアはここから「ザ・シンプソンズ」の「バレンシアガ」特別編だった。終わるとスタンディングオーベーションが起こった。

バレンシアガ
バレンシアガ

(ライター・益井祐)



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