アクセ「パリゴ」のメンズ コロナ下で売り上げ記録更新 情報システム活用し成果

2022/06/01 06:26 更新


広島店のメンズ売り場

 アクセが運営するセレクトショップ「パリゴ」のメンズカテゴリーが、09年2月の本格展開から年度での売り上げ記録を更新し続けている。コロナ前から導入していたデータ分析システムを活用したPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルで消化率は上がり、利益面でも改善。顧客のライフステージの変化に合わせた品揃えの変更も寄与した。今期も2割の売り上げ成長を見込んでいる。

(永松浩介)

 92年から一部メンズの扱いはあったが、本格的には09年2月から。広島の自社ビル内にメンズフロアを設け、それ以降、ウィメンズとの複合店形式で福山、尾道、松山の各店に構えた。扱い店舗が増えることで順調に成長してきた。

 コロナ下の20年4月から1カ月半ほど休業を余儀なくされたが、営業再開後に一気に上昇、ECも支えになり、期末で締めると実績を超えた。21年もさら14%増と好調をキープ、勢いそのままに22年も4月中盤までで37%増だ。

 好調の背景は、17年春に地元企業と共同開発した新しい情報システムの活用。その少し前から成長の過程で在庫が過多になっていた。システム導入を機に、日々の売れ行きと、客及びスタッフの声を参考にメンバーで仮説を立て、システムからのデータと突き合わせ、その後の仕入れに生かしてきた。実店舗だけでなく、ECも同様だ。「5年の積み重ねでようやく、うまく稼働し始めた」(髙垣道夫専務)ため、コロナ禍も乗り切れた。

 合わせて得意だったデザイナーブランドだけでなく、16年から取り入れたクラシコ、両者の間をつなぐカジュアルといった三つのカテゴリーを配することで、顧客のライフステージの変化にもうまく対応できた。20代から50代まで幅広く受け入れられている。今春もクラシコの分類で15ブランド導入し、売り上げ増に寄与。

 「男性客はなじみになれば他店には行かない」と高垣専務。〝浮気〟しないような幅広い品揃えが奏功した。かつては各店でほぼ同じ品揃えだったが、今は逆に同じブランドでも各店でアイテムのかぶりは少ないという。例えば、尾道本店と福山店は20キロほど離れているが、両方訪れないと全ては見られない。車社会ならではで、実際に両店を利用する客もいるようだ。好調を背景に、メンズを関東で展開する可能性もあると言う。

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