ODMのDKラボ 独自生産システムで新ライン 仕入れ品に見えるオリジナル

2021/08/30 06:26 更新


ビンテージのディテールを取り入れた「ミリタスペック&コー」

 ODM(相手先ブランドによる設計)のDKラボ(東京、加藤大輔代表)が独自の生産システムで新ラインを投入する。ビンテージミリタリーの「ミリタスペック&コー」のブランド名で、来春夏向けの提案を強めている。別の仕組みで18年から続く「パリ・オーセンティック」は納品先での売れ行きが好調、プリント物でシーズン中に2回追加納品したブランドもあった。加藤代表は、「セレクトショップでも、仕入れ商品に見えるオリジナルへの要望は強い。収益性も高く重宝されている」と話す。小ロットでも受注し発注側のリスク軽減になる点も評価されている。

 ミリタスペックは、ビンテージのディテールを忠実に取り入れた男女向けで、すでに有名ブランドのODMを手掛けている。例えば、中わたにポリエステルなどを入れるのではなく、生地でボアを挟む形にしたり、袖のリブを2段にしたり、といった具合。ファスナーは生産委託先の工場が連携している「アイディール」を用意した。「ミリタリーは付属と縫製が肝。ミシンも高速ではないクラシックなものを使ってステッチを立体的にしている」と加藤さん。ストック生地は、ミリタリーで多用されるリップストップ、ナイロンツイル、ウェザー。カーキなど色数があり、カムフラージュ柄なども揃える。上海近郊の工場で縫製している。

 一方、パリ・オーセンティックはフランス在住のグラフィックチームの出す柄を選んでもらい、下ざらし生地をストックする上海の工場で製品化する仕組み。量産用、サンプル用など3種類の織機を使い分け、ひと柄100枚から受けられるのが特徴。環境配慮型の昇華プリントを採用しており、「小ロットで残品リスクを軽減できる。時流に合っている」という。柄の変更をすぐに試し刷りできたりと機動性は高い。ひと柄3色などもミニマム生産できるため、「売り場の雰囲気を変えることができ、重宝がられている」という。最短で55日ほどで納品でき、プリント物では難しいシーズン中の複数回納品も可能だ。

 レディスではワンピースやブラウス、メンズだと半袖シャツやセットアップなど、ウール以外の布帛が得意。すでに大手アパレルやセレクトショップなどが取引先になっている。ミルスペックもパリ・オーセンティックも納品先からパターンをもらうことが多いが、デザイナーでもある加藤さん側から提案をすることもできる。

「パリ・オーセンティック」はシーズン中の追加納品も可能


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