【ニューヨーク=杉本佳子通信員】25年春夏ニューヨーク・ファッションウィークは、肩ひじ張らないイージーなスタイルが重視されている。そして、スポーツが一貫して重要なテーマとなった。
【関連記事】25年春夏ニューヨーク・ファッションウィーク エフォートレスなラグジュアリーにスポーツをミックス
マイケル・コースは「地中海のロマンス」をテーマに、50年代のロマンティシズムと90年代の洗練されたシンプルさをミックスしたグラマラスなコレクションを見せた。コースは地中海に「のんびりしているけれどぜいたく、素朴だけど豪華、都会の洗練とリゾートのムードやアティチュードが共存している」との印象をもっているという。
水着の上にパレオを巻いたようなルックは、甘くセクシーなカッティングが秀逸。イージーな気分と、夜の外出にぴったりの洗練したムードを兼ね備えている。ピークトラペルのジャケットにマイクロショーツをくっつけたようなジャンプスーツも、シャープで粋だ。
イタリアの職人やテーラーと組んで35年目を迎えた今コレクションは、仕立ての美しさもさることながら、手仕事もふんだんに見せる。レースの花に見えるのは、小さな丸にカットしたレザーを複雑に並べて模様を描いたもの。花のアップリケ、ラフィアを使ったバッグや靴も多い。
コーチはアップサイクルの手法を随所に入れながら、新しい世代が解釈するアメリカンクラシックを表現した。個性と自分らしさの表現、ラグジュアリーが本当に意味することへの新しい解釈を提案している。