24~25年秋冬ニューヨーク・ファッションウィーク Z世代のリアルに寄り添う

2024/02/15 06:30 更新有料会員限定


 24~25年秋冬ニューヨーク・ファッションウィークは、Z世代のリアルを意識したラインが広がっている。ごく普通のプレッピールック、懐かしいレトロな服が、Z世代には新鮮にうつるようだ。ニューヨークは現在リボンが大流行で、可愛いテイストもZ世代向きといえるだろう。

(ニューヨーク=杉本佳子通信員)

【関連記事】24~25年秋冬ニューヨーク・ファッションウィーク コンフォートラグジュアリーがキーワード

 アルトゥザッラはブランド創立15周年にあたり、初期からサポートしてきた人々を100人限定で招待し、ショールームでこぢんまりとショーを行った。ここ数年、アルトゥザッラはインスピレーション源となった本を風呂敷に包んで席に置いている。今回も席に風呂敷包みが置かれていたが、開けてみると黒いクラッチバッグのようなポーチ。その中に本があった。ポーチの留めボタンはブランド名入り。

 今シーズンの本はヘンリック・イプセンの「人形の家」だった。公式写真はほんのりセピア色がかかったもので、ファッションフォトグラファーのデボラ・ターバヴィルの写真にもインスパイアされたという。服は、バレエやサーカスなど劇場パフォーマンスの要素を盛り込む。象徴的なのは、ピエロカラーと袖口のラッフル。裾を絞って長いカフスをつけたニットのパンツは、いかにも温かく動きやすそうだ。ユーティリティー感覚のコートは、バックケープを丸くカットして可愛さをプラス。柄はハーレクインで、セーター、プリント、影ひだなど、さまざまな手法で入れた。

アルトゥザッラ

 前シーズン、カジュアルにかじを切ったジェイソン・ウーは、「このショーはうちのチームに捧げるもの。このショーは夢見る人々に捧げるもの」とリリースにつづった。ドレープが美しいジャージーのドレスはワンショルダーで、官能的でありながら着やすそうだ。ウールのコートは、光沢のある蛍光グリーンの糸でかがったインパクトのある刺繍がゴージャス。端は切りっぱなしで、リラックス感を加える。ため息の出る美しいロングドレスをまた見たい気もするが、この路線の方がZ世代のリアルに合っているのは確かだ。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約すると続きを読むことができます。

ログイン契約して読む

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定ピックアップニュース



この記事に関連する記事