日テレ、アナウンサー部がアパレル事業 服にメッセージをのせて

2022/10/03 06:29 更新


左から郡司アナウンサー、森實コンテンツ戦略局長

 日本テレビ放送網がテレビの枠を越えて事業を拡大している。9月22日にはアナウンス部主体に初のアパレルブランド「アウディーレ」を発表した。アナウンサーの新たな可能性の模索として注目される。

 日本テレビは22~24年の中期経営計画で「テレビを越えろ、ボーダーを越えろ。」のスローガンを掲げ、新規事業の創出に注力している。社長室専門室次長の太田正仁さんが統括し、これまでにeスポーツ事業を運営するアックスエンターテインメントや、Vチューバーなどのインフルエンサーに特化したエンターテインメント企業のクランなどを設立した。

 以前から「全員ビジネスプロデューサー主義」というメッセージを社員に投げかけ、自主啓発を促してきた。これに手を挙げたのが、郡司恭子アナウンサーだ。通常通りの業務が制限されたコロナ下で「社会のために何もできていないのでは」と葛藤があったという。そこで事業計画書を作成し提出、社も「アナウンサーの活動の多様化を進める」方針で後押しした。

 アパレル事業に目を付けたのは、テレビの衣装だけでなく「ロケ撮影や取材は私服で行う」という職業柄、服が個人の在り方や思いを表現するための大切な手段と感じたからだ。「他者の目線や人の評価を軸に何を着るか気にしなければいけないシーンが多い現代において素直に好きなものを選ぶことが難しいときもある。自分にとって心地よい選択をするためにどのような服を選び、まとうと良いか。服の提案だけでなく、その過程にも寄り添うブランドにしたい」との思いがある。

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 こうしたメッセージを服を通じて発信していく。得意とする取材力を生かし、ECでのインタビュー記事の掲載やトークセッションの開催でブランドをアピールする。「夢はチャリティーラインの立ち上げ」(郡司さん)で、利益を社会貢献活動に使うことも考えている。森實陽三コンテンツ戦略局長は、「アナウンサーの在り方を見直すいいきっかけになった。働く女性の支援になれば」と期待する。

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