カナダ生まれのトレイルランニングシューズブランド「ノルダ」が注目されている。アッパーに高強力繊維「ダイニーマ」を使った丈夫で軽いシューズとして知られ、全世界で販路が広がる。3月には新モデル「ノルダ005」を発売。究極の〝スーパーシューズ〟として売り出した。
(杉江潤平)
ノルダは、ナイキなどで20年以上シューズビジネスに関わってきたニック・マルティレイ氏が、21年にカナダ・モントリオールで立ち上げたブランドで、同氏がCEO(最高経営責任者)兼ファウンダーを務める。ダイニーマをアッパーに、独自仕様の「ヴィブラム」をソールに採用し、トレイルを長時間走ることができるのが特徴で、一部の国を除き全世界で販売している。
3月に発表した新モデルのノルダ005は4番目のプロダクト。メンズ用26.5センチサイズで211グラム、ウィメンズ用25センチで177グラムという軽さ。税込み5万2800円。
日本では、ランニング用品のセレクトショップ「ダウンビートランニング」などを運営するホール・オブ・フェイムが23年から総代理店を務めている。現在はファッション系のセレクトショップやスポーツ専門店などで販売し、今後はトレイルランニング専門店にも拡大する方針だ。新モデルの発売を記念し、3月末には鎌倉の海と山のコースを巡るランニングイベントを開催。取引先関係者らを招いて製品の良さをアピールした。

自動車に例えれば「ランボルギーニ」
ニック・マルティレイCEO兼ファウンダーの話
シューズは全世界で年200億足以上が廃棄されていると言われるが、大手ブランドの中にはたった1回のレースしか使えないシューズを出すところもある。大企業なのに社会的な責任が欠けていると思う。
ノルダのアッパーに使うダイニーマは丈夫で軽いが、滑りやすく扱いづらい素材でもある。靴への転用は色々なメーカーが挑戦し、断念してきたが、我々は2年がかりで開発に取り組み、実用化に成功した。一般的なアッパーの引き裂き強度が40ニュートンなのに対し、ノルダは4000ニュートンを誇る。そしてシルクのような肌触りを持つ。車に例えるなら、まさに「ランボルギーニ」と言えるだろう。価格は高いが、何度も使える最高級のシューズだ。
