ファッションAI「#CBKフォーキャスト」 トレンド予測機能を実装

2023/02/16 06:25 更新


350人のインスタグラマーと提携し、画像利用の許可をもらっている

 ファッションAI(人工知能)のニューロープ(東京、酒井聡社長)は、「#CBKフォーキャスト」(カブキフォーキャスト、以下カブキ)にトレンド予測機能を実装、2月16日から提供を始める。従来はSNSやモールなどからの膨大なデータを元にした現状分析だったが、新機能は約5000万件の蓄積データを活用して3カ月~1年先の需要を予測する。自社の発注量の調整などに役立つ。類似のサービスは日本にはないという。

 同社は14年からオンライン上に公開されたスナップ画像を取り込み、10万件ほどを手作業でタグ入力。それを「教師データ」にして、色や柄、素材やシルエットなど1アイテムで6、7種類の特徴を認識する画像解析AIを開発した。18年からはインスタグラムやツイッター、ゾゾタウン、コレクション情報などから毎日2万5000件ほどのデータを自動で収集、売れているものや注目されているものをデータ化し、カブキフォーキャストとして月初にリポートしている。

アイテムごとに詳細な予測が可能

 トレンド予測の「AIトレンドブック」は、3カ月、6カ月、1年先のトレンドを、トップやボトムなど6項目で詳細に予測する。時系列データを季節変動要因を除いて活用。花柄のトップの6カ月先の需要を96%や137%など具体的な増減で示す。22年6月までの蓄積データでの半年先予測を12月に検証したところ予測精度は72%だった。

 AIトレンドブックは、MD計画や発注量に利用してもらう。例えば、半年先に150%の予測が出ているアイテムと自社の計画とを突き合わせ、生産量や仕入れ量の調整に活用する。販促やサイト上の記事コンテンツなどの利用も想定している。「今売れているリポートも重宝されているが、これから売れそうなものの情報が欲しいという声が強い」と酒井社長。骨格診断や韓流ブームなどで思いもよらないアイテムが浮上することもあり、そうしたデータを拾いたいニーズもあるという。

 トレンド予測はオプション。利用は月額1アカウント15万円で、トレンド予測は追加で7万5000円。お試し用に、初回のみ特別編集の単体を1冊3000円で販売する予定。

 同社のレコメンド機能や画像認識機能は、ジュンやディノス、バロックジャパンリミテッドなどが利用している。

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