今秋デビューした「ニューナウ」は、リラックスした着心地と輪郭の美しさを両立するユニセックスの日常着だ。女優の榮倉奈々さんがCEO（最高経営責任者）となって運営会社のランドエヌケーを設立、スタイリストとデザイナーとの協業で企画・生産し、ECで受注販売している。
「以前から何か事業をやってみたい、ゼロから事業を成り立たせる過程を経験したい気持ちがあって」と榮倉さん。ファッションビジネスに携わるとは考えていなかった。洋服が好きで、レディスウェア「コート」を愛用している。デザイナーの福屋千春さんが作り出すシルエットに引かれるなかで、スタイリストの上杉美雪さんとともに「人の心に響くもの、自分に自信を与えてくれる洋服を作りたい」とブランドを立ち上げた。
目指しているのは、今を感じさせて、余白を持ったワードローブ。シンプルなカットで素材の力を生かし、シルエットを豊かに見せる。仏ノルマンディー産のリネンを使ったカフタンドレス（税込み6万7100円）や肩回りを立体的に見せたTシャツ（3万9600円）は、ジェンダーを問わず、緩やかな落ち感が着用する人の魅力を引き立てる。ウール・モヘヤの高密度織物を使ったペインターパンツ（6万4900円）は、梳毛の美しさとハリのあるラインがエレガントな印象を作る。
持続可能なビジネスを心掛けて、受注会とECでの販売に限定する。フーディーなどジャージーウェアの一部は定番として販売し続けているが、シーズン商品は一定期間にECで受注販売し、数カ月後に届ける。11月に受注した24年春夏向けは、ペインターパンツ、カシミヤ混の長袖Tシャツ、ストライプ柄のフィールドシャツが人気だった。
