「一度断られた時に、〝また機会があれば〟と言われた。それなら機会は自分で作ろうと」。香川出身で神奈川の美術大学を卒業した横井春奈さんは、採用を断られても、そこで働く夢をかなえるべく尾州産地に飛び込んだ。
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チャンス広げる
きっかけはテキスタイルメーカーの小塚毛織(愛知県一宮市、小塚康弘社長)と業務提携を結び、同社工場を拠点に活動するカナーレ(足立聖代表)の生地だった。カナーレはションヘル織機を使ったファンシーツイードが強み。裂いた布を緯糸だけでなく経糸にも使った独自の〝滝織〟があり、横井さんはその動画にX(旧ツイッター)で出合った。