新型コロナウイルスの感染拡大に対して、政府は19日夜にも専門家会議を開く。多くの人が集まるイベントについての意見を求める。すでに、国内外のファッションビジネス業界でも展示会やコレクションショーの中止や延期が続いており、状況の推移を注視する必要がある。
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中国現地での報道によると、英バーバリーは4月23日に上海で予定していた20年秋冬メンズ・レディスコレクションの発表を中止した。同時に騰訊(テンセント)と協業で予定していた小売店開設の延期も決めた。
中国大陸にある64店のうち24店が閉店している。営業中の店も営業時間を短縮しているため客数は大幅に減少している。
同ブランドの19年売上高は7億1900万ポンドで、中国大陸の売上高は全売上高の40%を占めている。19年は大陸が15%増だったのに対して、全売上高の8%を占める香港が50%減だった。同社は中国人の海外旅行者も減るため、中国人消費者の売上高は今後2カ月間で50~60%減るとみている。
イッセイミヤケは、2月19、20日に都内で開催予定だった「イッセイミヤケ・メン」「オム・プリッセ・イッセイミヤケ」の20年秋冬展示会を中止した。新型コロナウイルス感染拡大の報道を受け、大人数を1カ所に集める催しは実施しないとしている。後日改めて、機会をもうける。
生産再開も納期遅延か
ワコールホールディングスの中国での生産は、大連ワコール時装が10日から、広東ワコールが17日から再開した。中国以外の縫製工場も通常通りだが、素材調達先の中国比率が高いため、状況により今後は納期遅延が発生する可能性があり、シミュレーションを行っている最中だ。
中国での販売は、コーナー展開している329の店舗のうち、現在179店が閉鎖中。今後は、百貨店サイドなどの判断待ちとなっている。