ならファミリー、大規模改装で客層拡大

2017/03/07 06:00 更新


 16年11月に大規模改装したSC、ならファミリー(奈良)が着実に客層を広げている。20~30代のポイントカード会員が増えているほか、「平日の夕方以降は明らかに、学生や仕事帰りの会社員、30代女性が増えている」。

 18日には、1階に奈良県初となる「ビームス」(店舗面積400平方メートル規模)がオープンするほか、15日からは開業45周年祭を実施する。客数、客層の拡大に期待している。

 改装は「都市型に匹敵するハイクオリティー商業施設」への転換を目指し、核テナントのひとつであるイオンを5層から3層に縮小して専門店ゾーンを大幅に拡大。専門店ゾーンの1階は「ミラオーウェン」などほぼ全店を奈良県初テナントで構成するなど、〝都市型テナント〟を強化した。

 16年11月~12月の入店客数は前年比13%増で、好調な立ち上がりとなった。改装オープン3カ月(16年11月~17年1月)の近鉄百貨店、イオンを含めた施設全体の売上高は2%増、入店客数は6%増で、うち面積を拡大した専門店ゾーンの売上高は17%増となった。なお、1月は前年の改装前の売り尽くしセールなどの反動があったとみている。

 部門別では客数増の影響で、地下1階フードコートと6階の飲食店がともに15~20%増で推移している。4階のジュンク堂書店、無印良品、ユニクロなども客数増が貢献している。このほか、3階のカフェ併設の「ニコアンド」、1階の「ジェラートピケ」「ラシット」などが好調だ。一方、認知度不足で「足踏みしているテナントもある」という。

 ポイントカード会員は月2000人ペースで増えており、各種SNS(交流サイト)の登録数も6000人になっている。ビームスの開店や創業祭のほか会員向けの情報発信による集客策にも力を入れていく。

 ならファミリーは三菱商事・ユービーエス・リアルティ(UBSR)が資産運用している。

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「コスメキッチンマーケット」などの都市型テナントを集積した1階専門店ゾーン


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