大阪・梅田周辺にある中崎町が集客力を高めている。来街者の中でとくに増えたのが若者だ。都心から少し離れた古い街並みに、90年代から古着店が増え始めたが、この間も様々な新店がオープン。古着店だけでなく、セレクトショップ、作家などのクリエイター系ショップ、ライフスタイル提案型ショップなど多彩な顔触れが集まっている。
細い路地に囲まれた古い建物に入居したり、長屋や住宅の1階部分を店舗として活用するところもあるなど、街の中で意外な表情が楽しめるのも見どころで、遠方から訪れる人もいる。
古着の街から変化
ビンテージと新品のセレクトを提案する「ボウ&アロー」は、23年目に突入した中崎町を代表する路面店。「昔は古着を楽しみたい特定の客層が中心だったが、最近は若い人が本当に増えた。SNSで知った人がごく自然に入店してくる」と近況を話す。
19年2月、古着や台北などアジアの新鋭ブランドなどをセレクトしてオープンした「月台」も、「昔の中崎町は古着好きがやって来るイメージが強かったが、そうでない人も来ている。外国人をはじめ観光客も増えた」と振り返る。17年春に「古着屋JAM」のレディス業態「エルルバイジャム」を出したJAMトレーディング(大阪市)は、「周辺に専門学校が多いので、学生のお客は多い」と話す。若年層をはじめとした客層の広がりを象徴するように、街中にはタピオカの専門店などの飲食店、さらに美容院も数多く見られるようになった。
個性ショップが増加
中崎町の西側はとくにアパレルの古着やセレクトショップが多く、この間も新たな古着店などが誕生している。19年もヒューマンフォーラム(京都市)が3月にチェルシーマーケットに進化型古着屋「森」、11月に上のフロアがコンドミニアムになった新築ビル1階にライフスタイル提案型ショップ「ムモクテキ」を開いた。