マザーズインダストリー OMO進み増収増益 「ミディウミ」は積極出店

2023/03/28 11:30 更新


「マーコート」で打ち出している「ミズイロインド」と「マーマーマー」の組み合わせ

 アパレル製造卸・小売りのマザーズインダストリー(大阪市)が業績を伸ばしている。OMO(オンラインとオフラインの融合)が進み、客単価が上がっている。既存ブランドは強みを明確に伝えることを重視し、比較的新しいブランドはMD、店舗内装などを固めていく。新規出店は体制が整っている「ミディウミ」を中心にする。

 22年8月~23年1月は売上高が前年同期比21%増、経常利益は39%増となった。卸売り上げも17%増。

 コロナ禍で店舗はやや厳しい時もあったが、ECは46%増と大幅に伸びた。各ブランドの最新情報を提供する公式アプリの効果が表れた。店舗とECの両方で買う顧客の比率は19年が約50%だったが、22年は約70%に上昇。今年はさらに上がった。両方で買う人の客単価は30%ほど高くなっている。

 今後、主力の「ミズイロインド」は、シーズンレス、サイズレス、エイジレスという特徴を鮮明に打ち出す。昨年秋に始めたFM局でのブランド名を冠した番組の開始もその一環。番組では女優の石井杏奈さんがDJでファッション、グルメ、旅情報とともに心地良い音楽を提供している。今月中には、ブランド専用サイトも立ち上げる。夏までにブランドの写真集も発売する。フォトグラファーによるアーティスティックな内容とする。

 気取らない大人の普段着をコンセプトとするミディウミは、今春4店を新設し11店となる。4月には神戸・三宮に売り場面積132平方メートルの路面店を出す。今秋も複数の新設を計画する。

 ミズイロインドに仕入れブランドを加えたセレクトショップ「マーコート」は、今春リブランディングした。20~30代だけでなく、エイジレスな品揃え、内装としていく。新たなオリジナルブランドとして「マーマーマー」を立ち上げた。ミズイロインドと組み合わせ、カジュアルでトラディショナルなスタイリングを打ち出した。今後、店舗を大型化し、旗艦店の開発も予定している。

 メンズ、レディスの「ミディウミソリッド」に仕入れブランドを入れたセレクトショップ「マーコートデザインアイ」は、昨年12月に開いた新丸ビル店を含めて6店となった。MDを固めることを重点にマーコートとの違いをくっきりさせる。

 人材確保や育成の観点から社員の賃上げも継続する。昨年は物価高対応で4%上げ、今春は5%増を実施する。

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