先染め織物の匠の夢 独自性の高い生地を作り続ける 製品の製造・販売にもチャレンジ

2023/05/05 06:30 更新有料会員限定


ドビー織機で柄作りに欠かせないステンレス棒「綜絖」に手作業で1本ずつ通していく

 新潟県見附市の先染め織物の製造・販売する匠の夢(松尾憲久社長)。糸の染色・糊(のり)付け工程以降の織物までの工程をすべて内製化している一貫生産工場で、独自性の高い織物や生産管理がしっかりでき、運搬ロスがないことなどが強みだ。加えて、繊維製品の製造・販売にもチャレンジしている。常に技術向上に取り組み、「安定的な運営や閑散期対応など、さらに工場の魅力を上げる」(太田博之執行役員)ことで、〝メイド・イン・見附〟〝メイド・イン・ジャパン〟を日本全国、世界に届けていく。

 匠の夢は11年から、マツオインターナショナルグループの松尾産業100%子会社となり、7月で12年が経過する。前身の丸栄商事は58年の創業で、新潟産地の得意な綿の太番手、細番手を中心に麻やシルク、ウール、レーヨン、キュプラ、ポリエステルなどを交織し、「難しい組み合わせの複合素材で差別化する」強みをさらに高め続けている。

設備投資、独自改造を

 設備投資や機会の独自改造を行い、さらにオリジナルの織物を作っている。電子ジャカード織機は6台。新たに導入した電子ジャカード織機は約130幅で全幅の柄ができる。ドビー織機は独自の改造で20枚のドビーが使え、より複雑な柄が表現できる。また、ドビー織機はストール2枚取りを可能にしたものなど、18台が稼働している。さらに6年前にはインクジェットプリンターを導入。これも独自の改造で経糸だけにプリントし織る技法を可能にし、深みがあるほぐし織りの量産が可能となった。

異なる糸を同時に織り込ませ得意とするジャカードを作る

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