MXNジャパン(東京、チェ・ハンウ社長)が運営する「ヴィンテージシティ」は、古着に特化したECモールのアプリ。20年12月末にリリースし、現在約2000の出店者を擁する。当初はメディアアプリだったが、今年3月に決済機能を実装し、本格的なビジネスが始まった。直近のMAU(月間アクティブユーザー)は約30万。担当の依田慎吾執行役員は、「決済機能を導入する店舗はまだ少ない。この数を引き上げ、実際の購入客増につなげたい」と話す。
同社は韓国の製品やサービスを広げるネット商社。韓国最大のインターネットサービス企業、ネイバーのサービスなども取り扱い、ヴィンテージシティもその一つだ。CtoC(消費者間取引)のプラットフォームを、日本を含めグローバルで確立するためのアプリとして開発された。もっとも、国内には「メルカリ」「ラクマ」「ヤフオク」があり正面突破は難しいため、日本で人気の古着カテゴリーに絞った形で運営を始めた。ヴィンテージシティのアプリはネイバーの開発だが、サービス開始は日本から。
全国の個店も参加
出店者の内訳は、実店舗を持つ事業会社約1000店、EC専業と個人で1000店弱。ウィゴーやラグタグ、古着屋ジャムなど大手も出店するが、魅力は全国津々浦々の個店も参加している点。ユーザーからは、「新しい古着店に出会った」「地元の店舗を知ることが出来た」などの声が聞かれる。
月間1000万円までの売り上げの小・中規模事業者からは、「決済機能を導入してからECの売り上げが2倍になった」などの声もあるという。決済機能は、韓国でシェア1位のネイバーの決済カート「MSS」(マイスマートストア)。決済手数料が同社の売り上げになる。
コーディネート投稿も
もっとも、決済機能導入は140店ほどとまだまだ。大手などと商品・在庫連携が出来ていないため、改修を急いでいる。7月からは出店企業のスタッフによる古着コーディネートの投稿機能も備え、難しいと言われる古着のECでの販売を活気づける。月1回ほどユーチューバーに依頼したアプリの利用体験やプレゼント企画なども実施する。実際に購入してくれる客を増やしてGMV(流通取引総額)を拡大する。