三越伊勢丹は3月12日まで伊勢丹新宿店本館6階催事場で、人気ボーカロイドキャラクター「初音ミク」との協業イベントを開催している。16歳が設定年齢である同キャラクターの16周年を記念した企画で、約40ブランドが参加し、アパレル、雑貨、ライフスタイル関連、アートなどの限定商品を販売している。
主な運営を担ったのは三越伊勢丹のメディア芸術。サブカルチャーコンテンツとの協業を仕切る専門チームだ。「初音ミクは教科書にも取り上げられる象徴的な存在。協業はチームにとっての悲願だった」(森玲治メディア芸術ディレクター)とし、同チームの取り組みでは過去最大の企画となった。
初音ミクの髪の色をデザインに落とし込んだ「ミルクフェド」のショルダーバッグ、日本の物作りの発信を支援する企業、糸口による同キャラクターをイメージした和服といったアイテムのほか、西川と協業した寝具など、ファングッズにとどまらない商品が揃っている。アートの抽選販売もあり、数百万円の作品にも、複数の申し込みが入った。サイバーな雰囲気が〝映える〟「初音ミクの部屋」といったフォトスポットや、ギフト特化のEC「ムードマーク・バイ・イセタン」に連動したショールームなどの展示も充実。限定の券面デザインのエムアイカードも好調だ。「客の滞留時間が長く、SNSでも話題を呼んでいる。3月9日の〝ミク〟の日に、さらなる伸びを期待できる」という。
初音ミクを開発したクリプトン・フューチャー・メディアは、「協業を喜ぶファンの声が多い。ミクにファッション系のニーズがあることを実感した」と手応えを語る。
森ディレクターは「今後は三越伊勢丹の地方店でも何か取り組みを広げたい。越境ECなどを利用して海外にも波及できれば」と今後を見据えた。