三井不動産の商業施設専用アプリの累計ダウンロードが12月に700万件を超えた。コロナやライフスタイルの変化による来館者減少を受けて、4月にリニューアルし、施設内で使える体験機能を強化したことが功を奏した。来館時のアプリ利用率も4月の30%が、9月は65%まで拡大した。
【関連記事】《「攻め」加速するSC、三井不動産 商業施設本部長 若林瑞穂氏に聞く㊦》テナントとの関係さらに深掘り
14年にスタートした「三井ショッピングパークアプリ」は、アプリ上での決済やポイントカードの機能、自社EC「アンドモール」と連携し情報発信してきた。リニューアルを通じ、さらにリアルとオンライン双方の買い物体験を強化、サービスの向上を図った。
施設内のデジタルフロアマップを使うことで、客は現在位置を知るだけでなく、各テナントのセールやクーポン情報を見ることができる。駐車場サービスやレストランの待ち列予約、フードコートのモバイルオーダーも可能。また、来館中と非来館時に分けて、アプリ内の情報の表示も切り替えられるようになった。
この結果、23年4~9月のアクティブユーザー数は前年同期比で30%増、アプリ経由支払い利用数は約30%増、ポイントQR利用数は約50%増と好調だ。アプリからアンドモールのトップページに遷移する数も前年の2倍となった。
今後も改善を継続する。現在、アプリ利用は30~50代の女性が多いが、利用者個人のニーズに応じた情報提供に力を入れ、幅広い世代の利用拡大を目指す。