《わが社の物流倉庫》三井不動産「EC自動化物流センター」 自社「アンドモール」の物流拠点 出荷キャパ拡大しコストを削減

2023/06/28 06:28 更新


様々な自動化システムを整備

 三井不動産のECモール「アンドモール」の物流拠点として、22年11月に同社物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋」内に開設した。

【関連記事】三井不動産、「物流の2024年問題」対策強化 DXで「荷待ち」時間減らす

 アンドモールは17年11月に運営を開始し、取引先がファッション、コスメ、インテリアなど約420ショップ、取り扱いアイテムも「数十万点」に広がった。それまで、アンドモールで販売する商品は同社運営倉庫、テナントの倉庫、ららぽーと内の各ショップの店舗在庫から出荷していた。「EC自動化物流センター」を新設したのは「事業拡大に伴い、自社運営倉庫の庫内作業が複雑化し、人件費や倉庫賃料が増加する中で、自動化・省人化によって出荷キャパシティーを向上させるとともに、作業コストを削減する」(亀井俊介商業施設本部商業施設運営一部イノベーション推進グループグループ長兼アンドモール事業室長)ことが目的だ。

亀井アンドモール事業室長

 自動走行ロボットによる3次元ピッキングシステム「スカイポッド」、段ボールケースの全自動製函機、段ボールのサイズを荷物の大きさによって瞬時に計測する「寸法測定システム」、段ボールに印刷されたQRコードを読み取り、データ連携された納品書を自動で封入する「自動封入機」、ピッキングステーションなどを整備。トラックドライバーの負担となっている「荷待ち・荷役」作業の時間を削減するため、バース(トラックが接車し、荷物積み降ろしなどに使用するスペース)予約システムも導入した。

 既に「取引先の過半が利用し、アンドモールの物流全体の60~70%を占める。1日当たりの最大出荷キャパシティーは2倍以上、庫内作業の人件費は約2割削減されるなど成果は上がっている」という。今後はさらなる自動化に取り組みながら、他社のEC在庫との共同配送も実施し、積載効率を高める。

〈メモ〉三井不動産「EC自動化物流センター」

JR南船橋駅前で、線路を挟んで「ららぽーとTOKYO-BAY」の反対側に位置するMFLP船橋(総延べ床面積約70万平方メートル)の第3期棟「MFLP船橋Ⅲ」内に設置。施設面積約6600平方メートル。

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事