婦人服のマイク・グレーがECと卸販売で伸ばす 今期売上高は2.2倍へ

2022/09/09 11:00 更新


フレンチベーシックの「ポンデシャロン」は価格競争力が高い

 レディスアパレルのマイク・グレー(東京、岩本信徹社長)が売り上げを伸ばしている。卸販売と自社EC及び直営店を運営しており、22年9月期の売上高は前期比2.2倍の4億5000万円を見込む。23年度も50%増の売り上げ計画で黒字化を見通している。今春に半年ほどの期間限定店を一気に7店出して知名度を高めてECに送客、好調な売れ行きにつなげた。卸もセレクトショップをはじめ、「北欧、暮らしの道具店」(クラシコム)などECサイト向け販売が予算通りに推移している。

 90年創業で当時は「プチバトー」の代理店もしていたという。4年前に、投資会社を経営している現社長が買い取り、1年4カ月前にアパレル数社で経験を積んだ長浜友信COO(最高執行責任者)が入社、その後も業界に精通した人材を雇い入れた。フレンチ風のベーシックカジュアル「ポンデシャロン」と生活に寄り添う〝道具服〟と呼ぶ「レリル」の2ブランドを企画・販売している。レリルは長浜COOがいたアナディスから買い取った。営業代行として「ソソット」も扱う。6割ほどが卸の売り上げだ。

日常生活に寄り添う道具服の「レリル」

 卸販路を思い切って変更したのがうまくいった。雑貨系の専門店チェーンがメインだったが、セレクトショップなどへの営業を強めたところ、価格競争力にまさり得意先を広げることができた。「ほぼ日ストア」「ナチュラン」「ララビギン」「ナチュリラ」などECサイトへの販売も好調で「卸先の消化もいい」(長浜COO)という。

 直売のECは20年4月の開設と遅く、ブランド認知が不足していたこともあり、今春ほぼ同時期に、横浜高島屋など百貨店を中心に期間限定店を7店出した。長期営業の店舗が多かったこともあり、ブランド認知が高まりECに送客、売り上げの大幅増に寄与したという。

 会員数も毎月50%増ペースで月商も1000万円ペース。モールには出店せず、自社サイトのみの運営。決済手段を広げたり、オンライン接客「チャネルトーク」を導入したりとデジタル投資も増やしている。実店舗はブランドの世界を感じてもらえる路面店が鎌倉にあり、吉祥寺パルコにも入居する。

 23年度は売り上げを無理して伸ばさない考え。卸販売と、EC含めた直売は半々にし、バランス良く成長させる。長浜COOは「モノやサービスと違い会社の文化はまねできない。スタッフもほぼ入れ替わったスタートアップのような会社だから、文化を大切にしながらじっくり伸ばしたい」と話す。

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