政府は1月11日、能登半島地震の激甚災害への指定を閣議決定した。これに伴い、被災地の復旧・復興に向けた財政負担を軽減するため必要な費用の国庫負担率を1~2割程度引き上げる。経済産業省は繊維を含む中小・小規模事業者に対し政府系金融機関による追加の資金繰り支援を行う。支援の対象地域を限定せず災害そのものを対象とする「本激」と定めた。資金繰り支援策は既に被災した中小・小規模事業者を対象に、日本政策金融公庫(日本公庫)などを通じた災害復旧貸付や信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証する「セーフティネット保証4号」の適用を実施している。今後は通常の保証やセーフティネット保証とは別枠での100%保証「災害関係保証」の適用とともに日本公庫による災害復旧貸付の金利を引き下げる。
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齋藤健経産相は11日の記者会見で、「激甚災害指定に伴う措置に加え、被災者の生活と生業(なりわい)支援策の検討を加速する」と語った。なお、経産省によると、1月10日午前時点で被災した繊維、工芸品、印刷製造業の3割強が「生産再開のめどが立っていない」という。