「日本の若い方も頑張っていますが、ビジネスと作ることを上手にコントロールできる方は少ないですよね」。1月にパリのショールームで川久保玲から聞いた言葉が心に残っている。確かに「コムデギャルソン」ほどビジネスをデザインするのが巧みなブランドはない。今のデザイナーは服だけではなく、ビジネスをデザインしなければならないと、かつても川久保から聞いたことがある。
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実際に、川久保は新店舗やリニューアルにはいつも陣頭指揮を執る。オープンぎりぎりまで什器や商品の配置を考えて、服と客との出会いを確認する。昨年オープンした渋谷パルコの店舗取材の際には、「まだ出来上がっていないからもう少し待って」と追い返されたこともある。効率ばかりを追い求める経営者とは全く違う。
ミラノを拠点とする「セッチュウ」は、若手の中ではビジネスが巧みだ。LVMHヤングファッションデザイナープライズのグランプリを受賞後、ピッティ・イマージネ・ウオモで初のショー、翌シーズンはミラノでのショー、そして香水の発売といくつもの仕掛けを作ってきた。この春には「エーグル」とのコラボレーションも発表した。
多くのブランドの中で埋もれてしまわないために、常に市場にインパクトを与える仕掛けが必要になっている。いかにビジネスをデザインできるのかが問われている。
