中核都市の駅前にあるSCが、行政や多くの地域事業者などとの連携企画を増やしていた。担当者に効果を聞いた時の第一声は「すぐさまには影響はないと思っている」だった。だが、ECが定着し、旅行など余暇の消費先も広がる中では、「買い物だけではしんどい」と、こうした取り組みを進めている。担当者は、「おそらく各地の他の商業施設でも同様の状況ではないでしょうか」と続けた。
常設テナント以外との連携を強め、広場やイベントスペースを館内外に増やしてきた。パン祭りやいちごフェス、様々なワークショップやコンテスト、地元スポーツチームの支援などイベントは多彩。「普段にない買い物シーンや利用シーンの提供」が狙いだ。
集客に結びつく企画もあるが、年間を通して施設全体の成長をけん引していくにはまだまだとの認識だ。数年前から行政と連携したウィンターイルミネーションを実施しており、今冬からクリスマスマーケットも開始する。小規模なものから始めて、徐々に拡大していく。
こうしたイベントは、準備から運営まで時間も手間もかかる。それでも取り組むのは幅広い客層の来街・来館機会を増やすためだ。「街のために、街とともに生きていこうと考えている」とは先のSC担当者。地域と商業の活性化は不可分の関係。その認識が各商業施設で一層高まっている。
