《めてみみ》「MD半分、売り方半分」

2025/02/28 06:24 更新NEW!


 チェーン店でも店によって〝出来栄え〟に差がある。著名なハンバーガーチェーンのある一店が「おいしい」と話題になっている。真偽は分からないが、かつてギョウザが売りのチェーン店でも同様の事例があった。行列が出来るその店にわざわざ出向き、幾度か食したことがある。最寄りにあるいつもの店よりも確かにおいしかった。

 よく利用する大衆向け料理店は極端に言えば日々、味わいが異なる。好みかもしれないが、塩加減や麺の硬さ、焼き加減などが変わるのだ。マニュアル通りであっても、作り手のさじ加減による違いと理解している。モバイルオーダーになり「よく焼きで」といった注文も面倒になった。

 服や服飾雑貨は工業製品であり、基本的に商品の質に差はない。ただ、コーディネート提案やちょっとした補正など販売の仕方によって、その〝味わい〟は変わる。「長い夏」など気温対応は全国的な課題。ただ、全店が同じ成績ではなく、健闘している店もあるはずだ。その要因の一つに販売現場の工夫や努力があるように思う。

 「MD半分、売り方半分」と、ある百貨店婦人服担当者が語っていた。MDも大事だが、顧客との信頼関係が構築できていれば気温に関係なく売れるはず。そんな趣旨だった。シーズンMDの見直しはもちろん欠かせないが、それだけで成績が決まるわけではないのは確かだ。



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