《めてみみ》親密な時間でつながる

2025/02/27 06:24 更新NEW!


 2月24日まで開かれたロンドン・ファッションウィーク・フェブラリー2025は、これまでと違う発表の形を模索するブランドが目を引いた。新たなデザインを披露するのはもちろん、どういう時間を共に過ごすかに焦点が当てられた。

 穏やかな朝のひとときをセッティングしたのは、「エデライン・リー」。ギャザーを寄せたブラウスやカシュクールドレスなど、一枚で様になるエグゼクティブウーマンに向けた服をシグネチャーとするブランドは、朝食とともに新作を披露した。

 60人ほどの観客たちは、クラシックホテルのパーティールームに招かれた。隣り合わせた初対面同士で穏やかに歓談していると、デザイナー自身が一人ひとりに声をかけ歓待する。目の届く範囲のコンパクトなイベントならではの親密さがあり、面白いプレゼンテーションと相まって記憶に残る時間となった。

 以前、「ザ・ロウ」がそうしたように、会場内での撮影を一切禁止したことも、こういった空気を形作る重要な要素だったのかもしれない。集中できる分、いつも以上にプレゼンテーションを堪能できた。

 セレブリティーを招いてSNSでの拡散を促すショーとは、対極にある切り口だ。独立系ブランドや新進デザイナーは、時間を共にした人たちに価値や魅力を体感してもらい、しっかりとつながることに注力し始めている。



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