《めてみみ》ワクワクする価値

2024/12/06 06:24 更新


 11月中旬、ある人気キャラクターの長期の期間限定ラーメン店の内覧会に参加した。聞くと、3週間先までの整理券の配布が一瞬で終了したほどの人気だという。作品に登場するラーメン店をイメージし、オリジナルラベルの飲み物なども用意。このほか、食器類などオリジナルグッズを飲食利用者限定で販売する。

 先日、見に行くと若い女性中心に入店待機の長い列が出来ていた。グッズ自体は公式ECサイトでも購入できるので、求めているのはリアルの体験価値なのだろう。受付サイトでは12月下旬までの期間はすでに終了しており、満席は当分続きそうだ。

 その店が入る商業施設には、アニメやゲームのキャラクターショップを集積したポップカルチャーフロアがある。常に国内外の老若男女でにぎわっており、全館売上高をけん引している。業界幹部たちもこうした〝推し活〟パワーを実感しているのだろう。キャラクターコンテンツを新規導入する施設や協業するファッションブランドが増えている。

 商品・サービスには機能的価値と情緒的価値が必要と言われる。「購入、利用、所有することによって得られる幸福感や優越感、ワクワクする感覚」が情緒的価値だ。これが感じられることが推し活の魅力の一つだろう。機能・品質も大事だが、それ以外の価値をどう届けるか。推し活消費から学ぶ点は多い。



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