パルコは3月1日付で組織を再編、渋谷パルコを店舗事業部門ではなく、新設する「文化創造事業本部」に配置する。劇場、映画、音楽を中心としたエンターテインメント事業やゲームなどの新規事業などと同じ部門になる。
昨年6月に開業50周年となった渋谷パルコは旗艦店として、「新しく、独自性のある」ファッション、カルチャー、アートを発信し続けている。19年11月に建て替え・全面改装オープンし、発信力をさらに高め、コロナ禍から売り上げを伸ばしている。訪日外国人からの人気も高い。
パルコはJ・フロントリテイリングと併せ、新たな中期経営計画を開始する。組織再編はこれに伴うもの。渋谷パルコは劇場や映画館、ギャラリーを備えるだけでなく、AR(拡張現実)などデジタル技術を活用した様々な新しい仕掛けを行い、従来のSCの枠を超えた「メディアセンター」としての機能を強めている。新たな組織ではこの機能とエンタメ事業のコンテンツやノウハウなどを融合し、パルコとして海外を含め、新たな領域に乗り出す狙いとみられる。
コロナ禍はSCのあるべき姿を再認識させると同時に、SCディベロッパーに従来のビジネスモデルからの転換も促した。新たな成長モデルを追求するディベロッパーが相次ぐ中で、渋谷パルコの今後の取り組みが注目される。