《めてみみ》様変わりするセール

2024/01/16 06:24 更新


 百貨店のクリアランスセールが様変わりしている。集客力低下はもちろんだが、コロナ禍を経て「価格にかかわらず、欲しい物を欲しい時に買う」(伊勢丹新宿本店)消費が定着した。百貨店、取引先ともにセール期でもプロパー販売の強化が加速する。

 取引先が生産や在庫をコントロールしながら、消化率を高める戦略に転換していることが背景だ。セールでの値下げをやめ、人気商品や定番品を長い期間をかけて売り切る取り組みが増えた。川上から川下まで適正な利益を確保し、セール頼りではなく、顧客が求める商品を揃え、衣料品の改革につなげる。

 百貨店も「お客様とは個でつながるようになり、館に不特定多数のお客様を集める従来のビジネスモデルは通用しなくなった」(三越伊勢丹)と強調する。実際に初売りと同時に始める冬のセールが売り上げの最大のヤマでなくなった。伊勢丹新宿本店は初売りの2、3日に子供が遊べて家族で楽しめるワークショップなどを催物場で開いた。顧客向けのプレセールやECが中心となった福袋は年内販売が増えた。

 価値と価格のバランスが合えば購入に至る。初売りは売り上げ、客数ともに前年を上回ったが、セールは前年割れ。コートが苦戦したが「正価品は春まで長く着られるジャケットや明るい色のセーターアイテムが売れた」(都内百貨店)という。



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