中国のSC開業数が9月の89施設から、10月はわずか10施設になり、前月比89%減だったと現地メディアが報じた。昨年10月の29施設と比べても66%減。華北・中、東北、西北の開業はゼロで、この5年間でも最少だったようだ。
中国では10月第1週の国慶節前、あるいは新年前の12月に開業日を設定する傾向が多いようなので端境期の異常値かもしれない。ただ今年は不動産市場の大不況で、節約ムードも影響しているだろうし、館の特徴や空間コンセプト作り、街との融和や回遊性、テナント・コンテンツ誘致に相当な労力がかかっているのもあるだろう。
上海では9月に開業が7施設あり、うち商業面積10万平方メートルは2施設。その一つ龍華寺に隣接してできた龍華会を訪れると、地上は路面ビルを複数建てて回遊させる造りで、中国SCに多いアートを美観として取り入れている。一方、地下はずらりとテナントが並ぶ従来SC構成で、地上と地下のギャップが妙に際立っていた。
大規模な改装案件も出始めており、今後かなり増えそう。虹橋の百聯西郊は空間イメージとテナントを一新。1階にスポーツ・カジュアルライフスタイル業態を固め、ターゲット層を含めて改装前との違いを出した。時間消費型テナントが増えたが、今売れるテナントを集めた感も強い。SC開発の挑戦と苦心が垣間見える。