楽天ファッションウィーク東京24年春夏が終了した。欧米の主要なファッションウィークに先駆けての開催となったが、今の納期や生産の厳しさを考えるとブランドにとってはむしろ好条件なのかもしれない。早めに新作を見せ、納期を守って着実にビジネスを伸ばしたいところだ。
今シーズンに感じたのは、それぞれのオリジナルの力を凝縮したデザイナーが何人かいたこと。初参加のブランドの中にも、ジェンダーフルイドを巡るオリジナリティーあふれる視点やハンドクラフトの技術、センスを生かしたクリエイションを見ることができた。ロマンティックでアーティスティックな視点を持ったコレクションや、デザイナー自身のノスタルジックな思い出を感じられる親密な雰囲気のコレクションもあった。
ポジティブな面の一方で課題もある。一つはいまだにデジタルでの発表がかなりの割合を占めること。そして、参加するブランドの実力に差があり過ぎることだろう。いうまでもなく、パリやミラノでは、参加ブランドはほぼフィジカル(リアル)のショー。今は若手ブランドがショーデビューしにくい状況にあるため、実力派ブランドが中心のスケジュールになっている。
東京のファッションウィークがコンテンツとして、その力をどう発揮していくのか。今後に期待したい。