《めてみみ》買い物も観光も

2023/06/23 06:24 更新


 買い物の合間だろうか。大阪・梅田の高層ビルにある空中庭園(有料)に向かうエレベーター前に、欧米やアジアなど国籍多様な外国人ばかりの長い行列が出来ていた。気づいたのがコロナ禍前との〝客層〟の違い。電車や百貨店などで、ベビーカーを押すインバウンド(訪日外国人)ファミリーやカップル客をずいぶん見かける。

 インバウンドと言えば、化粧品などの「消耗品」の〝爆買い〟のイメージが強いと思うが、今は違う。日本百貨店協会の発表資料を見ると、19年4月の免税売上高約344億円のうち消耗品の比率は45%強あり、人気商品1位は化粧品だった。この4月は約206億円のうち消耗品比率は12%強。ラグジュアリーブランドほかの「一般物品」が圧倒的に多い。

 大阪観光局による「インバウンド1人あたりの観光消費単価推計(大阪)」は19年平均の13万円弱に対し、23年1~3月は約17万円に増えているのも特徴。円安や旅行自粛反動の買い物消費に加えて、宿泊数が長いことを増加の理由に挙げていた。

 大阪・心斎橋の商業施設で聞いたインバウンドに支持されている好調分野は、ラグジュアリーブランドとアニメ・キャラクターなどの〝ポップカルチャー〟ショップが圧倒的だった。買い物や食事、観光、なかには推し活もあるだろう。来日目的は確実に多様化している。



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