《めてみみ》ミュシャの生き方

2023/06/21 06:24 更新


 今春、マッシュスタイルラボがアルフォンス・ミュシャの知的財産などを管理するミュシャ財団とパートナーシップ契約を結んだ。ミュシャはチェコ出身、フランスなどで画家・イラストレーターとして活躍した。アール・ヌーヴォーを代表する一人であり、当時の演劇のトップスターを題材にした告知ポスター、たばこの巻紙やシャンパンの宣伝ポスターなどでも有名である。

 ミュシャの世界有数のコレクションは、大阪府堺市のアルフォンス・ミュシャ館にもある。「カメラのドイ」の創業者だった故土居君雄氏が、渡欧のたびに集めたものだ。土居氏はミュシャの子息らとも親交を結んだ。土居氏の没後、同氏が新婚時代に過ごした堺市に寄贈された。

 ミュシャが活躍したのは19~20世紀前半。消費社会が本格化していく時代であり、新商品を宣伝するポスターが人気を博した。その一方、労働者の貧困や政治の混迷も目立った時代。ミュシャも晩年、ナチスドイツの迫害で亡くなった。戦後のチェコ政権も愛国心の結びつきを恐れ、ミュシャを評価することが無かったと聞く。

 ウクライナをはじめ、世界中で政治の不透明感が増す。現時点では、何とか平和を維持できている日本。作品を通じて、ミュシャの生き方が知られていくことが、改めて平和の尊さを考える機会になればと思う。



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