上海に夏の日差しがやってきた。先週までの長袖に軽アウターでは暑くてたまらず、押し入れ深くにしまっていた半袖や半端丈パンツを急ぎ引っ張り出した。街を歩く人の中には日傘を差す姿が増え、夕方になると強烈な太陽光から顔をバッグで隠す人もいるほど。顔・手・足など、露出した肌を守る季節の到来である。
そんな時期に、中国美容博覧会が開かれた。会場は22万平方メートル・24ゾーンもあり、出展社3200の大規模な展示会だ。最寄り駅から来場者で混雑し、初日の開場時から盛況だった。
1ゾーン丸ごと日本企業・ブランドを集積しているのも特徴で、日本のコスメ商品が重要コンテンツとなっている。恥ずかしながら知らない企業が多数出展しており、コロナ禍後の中国市場への期待の高さもうかがえた。
ただ、日本ゾーンなのにひときわ混んでいたブースが、タイのコスメブランド「ミスティーン」。2年前に日本で話題となったようで、中国でも注目なのだろう。
その後、長年来場している人から「以前はもっと人でごった返していた」という話を聞いた。中国は越境ECでのコスメ輸入がしやすくなった一方で、一般貿易は成分規制が厳しくなり、法令順守で大変になったのも背景かもしれない。とはいえ、中国でどんなコスメ商品が流行していくのかを見るのは興味深い。