大型連休を日本で過ごしたため映像や体験談のまた聞きになるのだが、中国の5月1~4日の労働節連休は、観光地が人で埋め尽くされた。発表によると国内観光旅行者は2億7000万人、19年比で19%増。その数字以上に映像や写真を見ると、各所の混雑ぶりが日本の比ではない。やはり人口14億の国である。
リベンジ旅行は出現したが、消費はというと、その判断は難しい。連休期間の観光収入額は1480億元で21年比128%増とのことだが、19年比だと0.7%の微増。商業施設データでは客単価が前月比で減少した。爆発的な人出にもかかわらず、出費は「慎重・節約」がいまだ続いていると読みとれる。
上海の人々に現状を聞いても「景気は当然上向きだが、失業率は高止まりだし、物価は高くなっているし、これから税金が上がるかもしれない」。平日の上海もスーパーや飲食店の入店客は以前に比べると多くなっているので、緩やかに上昇しているのだが、まだどこか静かである。
労働節中にコロナ感染が一部で確認され、連休後の感染再拡大を見越しているのか、街を行き交う人の6、7割がしっかりマスクを着用し、警戒心もまだ強い。そんな中で日本への団体旅行が7月ごろにようやく販売されるのでは、との話も聞こえてきた。心は早くも下期に期待といったところか。