市場をどう切り取るかで売り場作りは変わる。阪急うめだ本店は8階に売り場面積約2300平方メートルの大型売り場「グリーンエイジ」を開設したばかり。スポーツ・アウトドアファッションや用品、化粧品、観葉植物、ラグジュアリーブランドなど、従来の分類の枠を超えたのが特徴だ。
コンセプトは「自然との共生」。この価値観はエイジレス、ジェンダーレス、〝カテゴリーレス〟なものとの考え方だ。マーケティングチーム主体に議論を重ね、20年度からテストとして9階祝祭広場で1週間のイベント「グリーンネイバーフッドライフ」を実施してきた。3年目の売上高は初回比3倍で、非カード会員比率が半分以上を占めたという。その結果を踏まえた新売り場だ。
同店は15年から増収率が低かった婦人服フロアを改装してきた。年齢軸を排し、モード、コンテンポラリー、プレミアムへと売り場分類を変えた。モードは高い伸びが続き、コンテンポラリーも〝スモールマス〟に対応した22年春の新設売り場でフロア活性化に結びつけている。
今春は消費が活発化しており、SCや百貨店など大型商業施設の増収率は勢いが続いている。ただ、コロナ禍前の実績に届いていない施設はまだ多い。今の市場に対し、どう需要創造していくか。アフターコロナの売り場作りがいよいよ問われてくる。