《めてみみ》百貨店のサブスク

2023/03/22 06:24 更新


 大丸松坂屋百貨店のサブスクリプション(定額課金)型ファッションレンタルサービス「アナザーアドレス」は3月、メンズラインを始めた。レディスは21年3月に開始し、百貨店初のサブスク事業で「新規事業を今後の成長戦略に位置付ける」(澤田太郎社長)という。

 総登録会員数が1万5000人、累計レンタル数が10万着に達した。利用者は30~50代が7割で、関東、関西、中京の都市圏の働く女性が9割。百貨店の購買層と異なり、「ファッションを楽しみたい」という思いがありながら、空間や時間、経済的な理由でファッションに制約を感じている「潜在層」だ。

 メンズの参入は事業開始当初から利用者やブランド側からの要望が多かったことと市場環境が変化したため。ビジネスウェアのカジュアル化が加速、ここ数年でジェンダーレスファッションも一般化した。男性の利用はもちろん、女性がメンズアイテムを着たり、パートナー同士で服を選び合うようになった。

 より自由に多くの人にファッションを楽しんでもらう。扱うブランド数は23年春でレディスが60増えて計173となり、メンズは80で立ち上げた。メンズは約5割をジェンダーレスとして提案する。サブスク事業を通して、ファッションの楽しさを打ち出し、大量生産・廃棄型モデルからの脱却との両立を目指す。



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