《めてみみ》折り返しを過ぎて

2023/01/10 06:24 更新


 15年の国連総会で採択された「2030アジェンダ」の中核をなすSDGs(持続可能な開発目標)は、ゴールとして設定している30年まで残り7年。折り返し地点を過ぎ、後半戦に入った。

 認知や学びの段階から、実践や成果を示す段階へと入ってくる。しかし、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻といった要因も加わり、多くの目標が達成困難とされる。米NPO(非営利組織)の試算では、達成は2092年になるという。

 「持続可能な開発レポート2022」によると、日本のSDGs達成度ランキングは136カ国中19位。前年より一つ順位を落とした。「大きな課題が残っている」とされる目標の一つに、目標5の「ジェンダー平等」がある。日本は政治や経済で女性平等の課題が多い。

 ほかに「大きな課題が残る」とされるのが、目標12の「つくる責任つかう責任」だ。これは3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進などによる廃棄物の削減、循環型経済の実現、フードロス削減、エシカル(倫理的な)消費の推進などが主課題。

 どちらも繊維・ファッション企業に深く関連する目標だ。経営課題に掲げる企業も多い。

 達成が困難ということは、見方を変えれば貢献できる余地が多いということ。ゴールに一歩でも近づくための、業界各社の取り組みに今年も注目したい。



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