《めてみみ》「今の気分」

2022/05/25 06:24 更新


 中国版LINEのウィーチャットでは、上海在住者たちが公開する「今の気分」を見ることができる。これまでは都市封鎖による隔離という非日常の光景や慣れない自炊料理、音楽のシェアが目についたが、5月中旬からは化粧やおしゃれ、関心のあるアートやスポーツへと内容が変化した。

 食の心配がなくなり、家から外に出るための準備が始まったといえる。「おしゃれしたい要望を強く感じる」という人もいて、全面解放後は商業施設に人が押し寄せる光景が想像され、服の消費回復にも期待がかかる。

 とはいえ、「アパレルはもう今年は厳しい」と、ある日系繊維メーカー経営者は話す。2カ月もの都市封鎖の結果、周辺都市を含めた物流機能が停止し、調子の良かったアパレルEC事業者も出荷がかなわず、売り上げが全く立っていない。物流の正常化は楽観的に見て7月とされるが、今後の防疫措置次第では多少長引くともされる。リスク対策として上海以外に営業倉庫を持つ必要があるが、コスト的に中小事業者には悩ましい。撤退も視野に入れているという話が聞こえてくる。

 政府は景気回復策として不動産投資の規制の緩和をもくろんでいるが、それに伴って物価が上昇すれば消費の回復が遅れそう。アパレル販売ではITを駆使して生き抜く小規模企業も受難の年になった。



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