新しい年を迎え、今年こそ市況の回復と持続可能な産業への転換が進むよう願っている。課題はDX(デジタルトランスフォーメーション)とサステイナビリティー(持続可能性)であることは明白で、その取り組み次第で産業は生まれ変われるはずだ。
元日付は「みんなで作るファッションの明日」をテーマに、「ファッションビジネスとSDGs」の特集も組んだ。SDGs(持続可能な開発目標)は環境、社会、経済の統合的な解決を目指すもので、17番目の目標は「パートナーシップで目標を達成しよう」。国や国際機関、民間団体、企業や個人が協力してこそ課題は解決できる。
特に企業の責任は重い。ある国連機関の関係者は「MDGs(ミレニアム開発目標)が達成できなかったのは企業の参加が不十分だったから」と解説する。金融機関にもESG(環境・社会・ガバナンス)投資を求め、その要求に応えるためには企業の目的や理念の転換も必要になる。
ファッションビジネスは豊かな生活文化の実現を目指す産業だ。環境や社会はその土台であり、格差や貧困を残したままでは実現できない。収益のみを追求する時代は終わり、社会的な価値との両立が求められる。繊研新聞社も報道だけでなく、みなさんとともに具体的な行動に取り組んでいく。「誰一人取り残さない」ために。