身近でも新型コロナウイルスのワクチン接種が徐々に進んできた。しかし東京や大阪などで再び感染拡大の波が押し寄せている。不足問題を解消し、ワクチン接種を急ぐしかない。
とはいえ、ワクチン接種を終えた人数は日本は世界でも上位に入ってきた。多くの繊維企業が進出する東南アジアは深刻だ。接種が進まず、感染が爆発している国が多い。10万人当たりの新規感染者が特に多いのはマレーシア、タイ、インドネシア、ミャンマーなど。ベトナムでもホーチミンや首都ハノイが都市封鎖の状態にある。
インドネシアでは日本人の感染者や死亡者が増え、一時帰国させる企業が増加中だ。在インドネシア日本大使館とジャカルタ・ジャパン・クラブが毎月開く「海外邦人安全対策連絡協議会」の7月13日の議事録からは、多くの企業で感染が急拡大する様子がうかがえる。ある企業はグループ会社の社員1万人中、直近1カ月で750人が感染し、累計で1500人になった。
驚くのは、一時帰国はするが「ワクチンを打ち、すぐに再赴任する」との発言が多いこと。取材した商社でも同様の話を聞く。インドやミャンマーなどから一時帰国した駐在員は、「リモートでの指示だけでは限界がある。早く戻りたい」と口を揃える。そんなに命をかけなくてもと思う半面、たくましくもある。