年齢・性別や過去の購買履歴からニーズを予測する従来のマーケティング手法が通用しなくなった。大手百貨店では「好き」「興味がある」などに焦点を当てた顧客セグメントによる新しい顧客との関係性の構築に動き始めた。CtoC(消費者間取引)のマーケティングを店頭やECの品揃え、販促に生かす。
SNSの顧客の投稿や反応などから、よりリアルなニーズに基づいた顧客分析が出来るようコミュニティーの運営に着手した。三越伊勢丹は6月、伊勢丹新宿本店のファンコミュニティー、イセタニスタの運営を本格稼働した。イセタニスタのリアルな投稿・口コミをその周りの顧客の来店、購買につなげる。買い物体験だけでなく、イベントへの参加などを通じてSNSに発信する。
そごう・西武は9月、ファンコミュニティーサイトの運営を始める。日本酒マニア、カスタード好きなどの投稿を募って参加者相互のコミュニケーションを促す。社員はファシリテーターとして参加する。この運営を通じ、より深く、より実態に即したマーケティングデータの収集に生かす。
顧客がSNS上で投稿・口コミを創出するUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出し、既存・新規の来店、購買につなげる。情報は人を介して収集する人が増え、企業からの一方通行の発信では響かない時代になった。