《めてみみ》市井の中国

2021/07/07 06:24 更新


 中国の最新状況が日本であまり報道されていないと聞く。妻が知人に「中国で夫は自由に出歩いている」と話すと、「本当?」と、けげんな顔をされるらしい。日本で報道された中国情報では、香港メディア幹部逮捕、Jホテル開業、サイバーセキュリティー法適用でネット事業者へ相次ぐ調査などを把握しているが、市井を伝えるニュースとは言えない。

 今の上海は、外出・外食や国内出張・旅行とも至って自由。6月30日~7月4日の中国共産党建党100周年外灘ライトアップショーには、大勢が見物に訪れ、人混みとなった。マスクは地下鉄構内と車内、バスでは着用しなければならないが、屋外はもとより建物や商業施設も未着用で構わない。それでも用心して着用する人も多い。会食時はみんなマスクを外して会話し、アクリル仕切り板などは存在しない。これは住民に感染が出ておらず、ワクチン接種率が進んだことも理由だ。

 しかし、ワクチンは見合わせる中国人も割といるため、街のあちこちにバスを接種会場として配置し、打てば油や洗剤をプレゼントしている。が、私の知り合いは「無料なら受けない。モルモットじゃない」と貫いていて、その考えに批判が起きたりもない。日本人の中国への嫌悪感は強いようだが、上海を見る限り、安心・安全・自由で嫌いになる要素はほぼない。



この記事に関連する記事