中国では3月5日に第13回全国人民代表大会が開かれ、第14次5カ年計画、21年予算の発表があった。5カ年の数値は示されなかったが、21年のGDP(国内総生産)成長率目標は6%以上とした。
18、19年は6%台だったので、数値自体は手堅い。日本や米国が新型コロナウイルス感染の再拡大の影響から抜け切れない中で、封じ込め策が順調な中国はどこ吹く風で成長していく象徴に思えた。
ただし、成長する商品や市場は変わった。1~2月の対外貿易増勢を報道する番組では、人工知能搭載機器の輸出増を取り上げていた。人々の生活をよりスマートに変えていく商品が世界で求められている。
上海の街中で目立つのはハイブリッドエコカーや電気自動車。買い替えが進んでいるが、ガソリン車への規制が厳しくなるという背景もある。エコカーのナンバープレートはグリーンで、ガソリン車はブルー。この差別化に所有欲もくすぐられる。面白いのは普通のブループレート取得代金は10万元以上。
一方で3月までグリーンは無料だった。当然ながら富裕層の買い替えは加速したようだ。4月から車購入の新規則が出ると言われ、今後どうなるかは分からないが、エコカーの買い替えは衰えないだろう。ビジネスでも人々の消費や投資意欲がどこにあるのかを迅速にとらえる必要がある。