《めてみみ》それでも前を向く

2021/01/21 06:24 更新


 ビークデザインの浅野諭史社長は、タイ・チェンマイで帽子を製造・販売している。立ち上げたのは10年前。夫婦でデザインする帽子を自社工場で作り、直営店を出すなどタイ国内で拡大してきた。

 昨年末、新年特別号用にウェブで取材した。コロナ禍でタイ人に加え、中国人を中心にした観光客の売り上げが消え、「店、工場を維持するのが難しい」と嘆いていた。「外国人なので融資が受けられず、資金繰りが大変。タイはコロナを抑え込んでおり、観光客を早く受け入れて欲しい」と訴えていた。思わず「頑張って下さい」と言ってしまった。

 「コロナや国の政策次第で状況が大きく変わり、お金も借りられない。何をどう頑張れば良いのか」。若いながらも自分の才覚で、異国で事業を拡大して精いっぱい頑張っている人に一番言ってはいけない言葉だった。

 新年に入り、浅野さんがメールをくれた。タイでも感染が再拡大し、国内観光客が途絶え、回復基調だった店の売り上げが大きく落ち込んでいるという。「1年間耐えてきたが厳しい。従業員も最小限に絞り、何とか店だけは維持して国内観光客の回復を待ちます」と、いったん事業の縮小を決めた。それでも彼は前を向く。「何とかもう1年耐え、明るいニュースをお届けできるよう頑張ります!」。その言葉に少し救われた。


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