《めてみみ》氷点下の上海

2021/01/13 06:24 更新


 年末年始の上海市は最高気温が氷点下の日が続いた。天気予報によれば90年ぶりの低温だったようだ。それでも子供は元気なもので、近所の公園では池に張った、厚さ1センチ以上もある氷を取り出して投げて遊んでいた。ただ、私が住んでいる地域では電気の使用量が急激に増えたせいか何度か停電に見舞われた。街中で水道管が破裂している所もあった。

 日系百貨店の関係者によると、1月1~3日の入店者数はいつもの週末より少なかったようだ。これは「寒さに慣れない上海の人々が外出を控えたためではないか」という。確かに市中心部の淮海路は人がまばらだった。

 新型コロナウイルスにより中国全土がロックダウン(都市封鎖)されて、まもなく1年になろうとしている。厳しい寒さ、乾いた空気の中にいると、1年前の記憶がよみがえってくる。河北省石家荘市では、100人を超える感染者が確認され、7日からロックダウンが行われている。

 中国政府による徹底した封じ込め。上海市でも商業施設など公共施設では入館に際して、健康QRコードを提示しなければ入館できなくなった。上海市政府から招待されていた今週末のベートーベン生誕250周年を祝う式典も延期の知らせがきた。春節(中華圏の旧正月)気分が盛り上がり始めた中国。無事に迎えられることを祈るばかりだ。



この記事に関連する記事