中国は国内の団体旅行が解禁されて約1カ月が過ぎた。発表数字を見る限り、新型コロナウイルス感染者の増加数は毎日2ケタ台で推移している。公共交通機関を使う際に、マスク着用が必須なのは変わらない。オフィスビルに入館する時に検温しているところは多いが、健康を証明するQRコードの提示は求められなくなった。
関係者と話をしていると、高額消費について話題になることが多い。海外旅行へ行けない中間層が上海市内にあるラグジュアリーモールでブランド品を大量に買っているというもの。週末に市内中心部の南京西路にある恒降広場(プラザ66)へ行ってみると、高級ブランドの紙袋をいくつも持った人が大勢いた。入場制限をしている店もあった。
そこから東へ7、8分歩いた南京西路と石門一路の角近くに、アダストリアが「ニコアンド」の上海2号店を12月に開設する。昨年12月に出店した1号店は、新型コロナの影響を払拭(ふっしょく)して年間計画を上回る勢いで推移している。こうした消費パワーが、2号店の出店を後押ししたものとみられる。
12月には静安寺の西にある1920年代の建築物をリノベーションしたコロンビアサークル内に蔦屋書店が出店する。7月にロフトが徐家匯に出店した。日本式のライフスタイル提案型店舗が上海中心部で存在感を増している。