中国でも9月1日、新学期が始まった。小学生から高校生まで、新学期の始まる2週間前から上海市外へ出るのを禁じられていた。理由は新型コロナウイルス感染防止のためだ。
7月下旬から8月末まで、上海市内では「夏祭り」の開催が相次いだ。花火こそないが屋台、盆踊りなど日本の夏祭りが大型商業施設で再現され多くの人でにぎわった。高島屋などの日系商業施設だけでなく南豊城、虹橋天地といったローカル系の商業施設でも行われた。年々、開催場所が増え、小規模なものを含めたら、どれくらいの数が催されたか分からない。
毎週末、上海市内のどこかで夏祭りが開かれていた。行動が制限されていたからだけではないと思うが、会場へ行くと日本人よりはるかに多い中国人であふれていた。どの会場も、人気はゆかたのレンタル。履物まで全てがセットになり100元程度で借りられる。着付けや化粧のサービスを行うところもあった。
日本人のために始めた夏祭りが、日本へ旅行に行き夏祭りを知った中国人も楽しむようになった。知り合いの中国人によれば、伝統的な衣装を着て出歩ける習慣に憧れる中国人は多いという。ここ数年、中国の伝統的な漢服を着ている人も見かけるが、まだ少数派だ。夏祭りを通して日本の新たな魅力に気付いた人もいるかもしれない。