「欧米ブランドはサステイナブル(持続可能な)切り口でないと相手にされないが日本企業の購買はまだまだ」「関心は高いが価格の話が先に来る」。取材先でよく聞く話だ。
「わざとらしく胸を強調せず、自然体でいたい」。米国のミレニアル世代の女性から「自分のブランドではない」と思われるようになってしまったランジェリー「ヴィクトリアズ・シークレット」。Lブランズは、その株式の55%を売却するという。
広告塔のモデルは「エンジェル」と呼ばれ、熱狂的に支持されていたブランドだ。売り上げのピークは16年度で約78億ドル。わずか3年で状況が一変した。一方で、「ありのまま」を尊重するインクルーシビティー(包括性)をうたった下着ブランドが人気らしい。
日本で環境に関する教育が本格化したのは90年代に入ってから。文部省(現文部科学省)から小・中・高校用の「環境教育指導資料」が刊行され、それ以降力が入った。
環境教育を受けた世代が発言力、購買力を持つようになってきた。エコ素材を使った服を少し高くても「買おう」という娘さんと、エコ素材に関心が薄いお母さん。パターンオーダースーツを作る際に「エコ素材はどれ」と聞かれることが増えたという販売員。「日本ではエコ商品はまだまだ」。本当にそうだろうか。市場が一変してからでは遅い。